ワンルーム不動産投資で「長期保有した場合に売却が可能なのか?」という出口戦略について、Twitterでご質問をいただき、私自身も気になるところでしたので、自分なりにリサーチをしてみたことをまとめました。
ワンルーム不動産投資を始められた方、特に私と同じく、ReVie社販売・BLAZE社管理のトラブルに合われている方にとって、売却時期の検討をはじめとした出口戦略検討の参考にしていただければ嬉しいです。
★この記事で分かること
①ワンルームマンションの長期保有後の売却可能性
②長期保有後の売却事例
③長期保有と売却活動の並立戦略
④売却を依頼する不動産会社を決める視点
本記事の目次&簡単な結論はこちら↓ ※タップ・クリックで読みたい項目に飛べます。
結論:築30年超の長期保有後でも売却は可能!ただし留意点もあり
今回の基本的なリサーチ手法は、4つの不動産会社とのオンライン面談を実施し「築30年超のワンルームでも売れますか?」という単純な質問をぶつけてみるというものです。
まず4社からの回答と売却時の留意点として伺った点を表にまとめます。
※アルファベットは面談の順番で、社名のイニシャルではありません。
売却可否 | 留意点 | |
A社 | 〇 | 部屋の管理状況 |
B社 | 〇 | 売却先 |
C社 | 〇 | 銀行評価 |
D社 | 〇 | 売り出しと募集停止時期 |
ということで、4社とも「売却は可能」との回答でした。
合わせて留意点を聞いたので、それぞれ見ていきます。
部屋の管理状況:管理が一定じゃないと修繕費が嵩み売却に影響
単純な話で、築年数が経過している=修繕が必要となり、また修繕の規模も大きくなる可能性が高くなるため、修繕積立金の値上げはもちろん、積立金で修繕に必要な費用が賄えない場合には、一時金として、オーナーが負担をする可能性が出てくるため、その場合売却がしづらくなる、とのことでした。
マンションを一律で管理している組合が入っていれば、区分所有であっても、管理状況はどの部屋も一定に保たれているはずで、修繕計画もその組合が立案していることが多いようですが、管理組合が無く、区分所有者が自主管理または異なる管理会社に依頼している場合は、管理状況の質が一定とならず、修繕の費用が大きくなる可能性も高い、とのことでしたが、そのようなケースは少ないんじゃないかなというのが正直な感想です。
売却先:個人への売却はやや困難になる
投資用として販売する場合は、もちろん価格次第ではありますが、収益性や1点目に言及した修繕のリスクという点から、個人への売却が難しくなるケースがあるとのことでした。この点は後ほど、実際の事例と共にもう少し具体的に見ていきます。
銀行評価:建物価値の評価が難しい場合はローンが使えず、現金での売却のみとなる
築30年超ともなると、物件の状況にもよりますが、場合によっては物件がローンの担保とならず、結果として現金で購入できる方のみが売却先となってしまう可能性があるとのことでした。
当然そうなると、やはり個人への売却がより困難になってしまいますね。
売り出しと募集停止時期:年度替わり前がねらい目&長期間売り出しっぱなしは避ける
こちらは賃貸募集とも重なりますが、いわゆる繁忙期となるのは年度が替わる3月~4月、ということはそれを見据えて、売却は1月ころから出すなど、売り出しの時期も売却にかかわってくるとのことでした。
また、例えば売り出しっぱなしで1年以上経過していると、購入を検討している方からは「この物件は売れ残っているな」と敬遠されてしまうことにもなりかねないので、その場合には一旦売却の募集を停止し、再度仕切りなおす方法も考えた方がよいとのこと。
これらは特に築30年超の物件に限らない一般的な視点ですね。
築30年超の売却事例:投資用以外の用途での購入が多い
ここまで留意点を4点挙げましたが、4社とも結論としては「売却可能」ということでしたので、実際の売却事例が無いかも聞いてみました。情報のレベルがまちまちですが、お聞きできた範囲で、事例として紹介していきます。
事務所利用:築39年/20㎡/最寄り駅徒歩約20分/700万円
武蔵小金井駅徒歩19分、東小金井駅徒歩20分の20㎡ワンルームが700万円、事務所利用の目的で売れたという事例がありました。
事務所利用も含めた売却が可能になれば、少し売却先の門戸が広がりますよね。
事務所利用が可能かどうかは、マンションの管理規約に記載があるので、売却時には確認しておくのが良いかと思いました。
規約に「もっぱら住居として使用する」のような文言が入っていると、事務所利用は不可ですが、管理組合との交渉で可能となるケースもあるようです。
私も早速管理組合に問い合わせて規約をもらいましたが、住居専用でした…泣
資産整理:築35年/18㎡/最寄り駅徒歩7分/600万円等
オーナー、つまり売りて側に保有し続ける必要がなくなったので、利益を出すというよりも、売却可能な額で売りますというケースを2件お聞きできました。
1件は、地方在住の方が、別荘?的に東京に保有していた物件を、こちらも売却可能な額で売りたいとのことで売却したというケースでした。
西国分寺徒歩7分、18㎡、600万円で売却されたとのこと。それでも賃料は5~6万円程度だったようなので、利回りかなり良いですね。
私が聞いた中では、投資用目的で購入されたのはこの物件のみでした。
(私もこういう少額の物件から不動産投資を始めればよかったと反省…いや、もう過ぎたことは引きずらず切り替えます!笑)
もう1件は築39年で、もともと娘さん向けに買ったマンションだったのが、娘さんが引っ越すことになったタイミングで売却というケースでした。
家族関係の変化:築30年/26㎡/800万円程度
こちらはご主人に先立たれてしまった未亡人の方が、高額な老人ホームに入ることができずに、1人暮らし用のお部屋を購入されたケースとのこと。
国分寺駅徒歩6分、26㎡、800万円での成約だったとのことです。
以上、具体的な案件を4件見てきましたが、投資用での売買は1件のみで、それ以外の用途の売却可能性の方が高そうですね。
投資用だと個人への販売は難しくなると書きましたが、裏返すと投資用以外も含めれば、対個人でも売却の可能性は十分あるとも言えそうです。
私の出口戦略の更新:売却活動も並行して開始&不動産会社選びのポイント
Twitterでご質問をいただいた「長期保有後の売却の可能性」と合わせて、短期的な売却も含めた出口戦略についても、
各不動産会社に相談をしてみました。結果、「長期保有」という基本的な方針は変わりませんが、売却活動も追加することにしました。
(基本的な方針の考え方は、こちらの記事をご参照ください)
保有している物件の査定額と共に相談をさせていただいたのですが、やはり査定額>残債となる可能性はかなり低そうでした…。
ただし、直近の売却であっても、あくまでこの査定額は「投資目的」で売却をする場合の査定であり、これまではそれだけを考えてしまっていました。
今回ご相談させていただいて、例えば税金対策など、投資目的以外で、私が希望する額で成約する可能性もゼロではない、
というアドバイスを不動産会社からいただき、確かにそうだなと思い、売却活動も並行して行うこととしました。
仮に売れなかったとしても、今とほぼ状況が変わるわけではないので、であれば少しでも可能性がある状態にしておくほうが良いなという判断です。(必要経費は、売却にあたっての物件の重要事項の確認を管理組合に依頼するのに、最大2万円程度とのことでした。)
ということで、今後売却の活動を依頼して進めていこうと思いますが、その際にどこの不動産に依頼すれば良いか?という点について、
これまでの不動産会社とのやり取りを踏まえて、感じたところもまとめておきます。
社内で売却時の利回りをどの程度と想定しているか?
依頼を検討している会社が、一般的に投資用不動産として物件を売却する際に、どの程度を目安と考えているか、ということです。
今回相談した4社では、目安として考えている利回りに4%~10%程度まで開きがありました。
長期保有の前提で、上手くいけば今回のReVie・BLAZEのトラブルによる負債を解消したい、というの前提での売却依頼ですので、私の場合は少なくとも残債と同額程度、つまりその分利回りが低い価格設定での売却に挑戦する、具体的には利回り5%程度での売却を想定しています。
その際に、仮に依頼した不動産会社が販売したいと考えている利回りが10%程度だったとしたら、当然私の物件の販売に対する熱量は低くなりますよね。そのため、売却を依頼する際には、これまでの販売事例などを聞くことで、どの程度の利回りの物件の取り扱いを想定しているのか?というのを把握しておいた方が良いなと感じました。
どのような販売手法を想定しているか?
これもお聞きしてみると、「レインズに登録して反応を待ちます」というだけの不動産会社もあれば、まずは「レインズ登録までに見込み顧客に非公開物件として案内し、その後社内の●名の営業マンにも情報共有し、ポスティングも行います」等、いろいろな手法を提案してくれるところもありました。
手法が多様で具体的であればあるほど、問い合わせ・成約の確立も当然上がるでしょうから、販売手法についても確認し、比較しておくのが良いなと思いました。
会社(担当者)が信頼できるか?
少し抽象的ですが、この点が最も大事だと思っています。
過去記事にも書きましたが、ファーストコンタクトの査定で非常に高値の査定を出しておいて、「貴社で買い取るならいくらになりますか?」と聞くと「弊社では利益が出ないので買取不可です」というような回答をしてくる会社もありました。
だったら最初の高値の査定は何だったの?誰に売りつけるつもりだったの?とその時点でその会社は信頼できないので、その後のやり取りは当然行っていません。
やり取りの中で、信頼できるなと思えるところ、また逆に違和感があるところ、自然と見えてくると思います。
2点目に書いた販売手法の説明の多様性・具体性も、親身になって考えてくれていれば、自然と出てくるものだとも思います。
最終的な依頼先の決定には、やり取りの中で感じる信頼感・違和感を大事に判断していきたいと考えています。
以上、今回は築30年超の物件の長期保有後の売却可能性を中心に、ワンルーム不動産の出口戦略についてみてきました。少しでも参考にしていただけるところがあったのであれば嬉しいです。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました!